【資産運用の失敗談③】FXで新興国通貨を買ったら夜も眠れなくなった?
こんにちは。
当ブログにお越しくださりありがとうございます。
今回は「資産運用の失敗談シリーズ」第3弾をお届けします。
皆さんは「FX」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これを日本語で書くと、「外国為替証拠金取引」というなんだかよくわからない言葉になります。
簡単に説明すると、「FXとは、いろんな国の通貨を買ったり売ったりして、その差額で利益をねらう投資方法のこと」です。
このとき、たとえば「日本円と米国ドルを交換する」というような感じで2国間の通貨を交換することになります。
最近では様々な国の通貨が交換できるのですが、そのなかで「新興国通貨」と日本円を交換するのが、一部の投資家のあいだで注目されています。
今回は「素人投資家」のわたしが、この新興国通貨取り引きで損失をだした経験についてご紹介します。
いつものように用語の説明から入りますので、FXをご存知の方は失敗談のみご覧ください。
成功談より失敗談のほうが有益
資産運用をやっていて、「わたしは〇〇して成功しました」というような成功談をよく聞きます。
でもそれは、ほかの人がマネしようとしても有効な方法かはわかりません。
その理由をあげると
- これまでうまくいった方法が、この先も使えるかはわからない(未来のことは誰もわからない)
- その人の状況(年齢、家族構成、保有資産など)によって目指すゴールが異なる
一方で、「これはやらないほうがよいよ」という資産運用の落とし穴は、だれしもに共通することが多いと思います。
そんな落とし穴を紹介することで、資産運用に関心がある皆さまのお役に立てたらと思います。
FX(外国為替証拠金取引)とは
2国間の通貨を交換することを「外国為替」といいます。
このときの交換比率のことを「為替レート」といって、為替レートは常に変動し続けています。
この為替レートの変動を予測して取り引きするのがFX投資です。
日本円と米国ドルの取り引きを例として説明します。
たとえば為替レートが1ドル100円のときに、100円だして1ドルを購入したとします。
あなたは1ドルを手に入れます。
その後、為替レートが変動して1ドル105円になりました。
このとき1ドルを売ると、105円が手に入ります。
もともと投資した100円と、手に入れた105円の差額である「5円」があなたの利益です。
ちょっと難しい言い方をすると、「円高ドル安」のときにドルを購入して、「円安ドル高」のときにドルを売却すると利益がでます。
「円高円安」については過去の記事で解説していますので、興味がある方はご覧ください。
新興国通貨とはなにか
日本円と米国ドルの取り引き(米ドル/円)が国内におけるFX取り引きの王道です。
一方で、新興国とよばれる国々の通貨で取り引きするケースもあり、有名どころでは「南アフリカランド」や「トルコリラ」などがあります。
新興国通貨での取り引きのメリットとして「2国間の金利差で得られるスワップポイントが高い」ことがあります。
またまた新しい言葉が出てきて申し訳ありません。
FX取り引きでは、先にあげた売買差益のほかに「スワップポイント」による利益が得られる場合もあります。
スワップポイントについて簡単に説明します。
「金利の高い低い」は国によって異なっています。
新興国のような高金利の国と、日本のような低金利の国の通貨取り引きでは、金利差を調整した差額を受け取ることができます。
つまり、新興国通貨を持っているだけでスワップポイントによる利益が得られるのです。
ただし、やっぱり世の中そんなに甘くはありません。
新興国通貨取り引きのリスクもちゃんとあって、これを理解していないと損をする可能性が高くなります。
失敗談(新興国通貨の取り引きで損失計上)
ここから、わたしの失敗談をお話しします。
もともとは米ドル/円の取り引きのみやっていたのですが、そこでも売買差益以外に「スワップポイント」による利益を得ていました。
「これはなかなかおいしいな」と、わたしのなかの「儲けたい欲望」が強くなった結果・・・
よりスワップポイントが高い「新興国通貨」の取り引きに手をだしたのです。
選択したのは人気の「南アフリカランド」と「トルコリラ」でした。
ところが、、、
新興国通貨取り引きのデメリットは、政治や経済の情勢が不安定なため、通貨が下落しやすいリスクをかかえていることです。
例として南アフリカランド/円の長期チャートを示します。
南アフリカランド/円の長期チャート(2009~2020)
(出典)
細かい変動はありますが、10年くらいのスパンでみると右肩下がりなのがわかります。
「新興国通貨はスワップポイントが高いことが魅力だけれど、長期保有するには向いていない」ということになります。
つまり、短期売買が基本ということですね。
さらに追い打ちをかけて、気をつけるべきことがあります。
スワップポイントは2国間の金利差が大きいほどたくさんもらえるのですが、不景気になると各国とも政策金利を下げる傾向があるのです。
いまは「コロナ禍」の影響で金利が下がっており、スワップポイントも小さい金額になっています。
わたしも新興国通貨のデメリットは理解しつつ売買しているつもりでしたが、やはり考えかたが甘かったなと思います。
これは新興国通貨だけでなくFX取り引き全般にいえることですが、為替レートは常に変化しているため、損益の数字も動き続けることになります。
変動が気になって、ついついチャートを頻繁に見てしまうんです。
しかも新興国通貨は長期保有しないほうがよいため、売りどきを見極める必要があり、よけいに気になります。
「夜も眠れない」というと大げさですが、実際、新興国通貨を保有している期間中は気になって一日に何度もスマホを見てる状況でした・・・
結局、「ずっと気にし続けるのは無理だ」と判断して、持っていた新興国通貨はすべて売却することにしました。
数か月にわたる売買の結果、損失はノートパソコンが一台買えるくらいでした。
資産運用の手段としてFXはどうか?
資産運用の手段として「FXをもちいた短期売買」をすることは、わたしはお勧めしません。
ただし、「長期・分散投資の手段として米ドルを保有する」ということであれば意味はあるかもしれません。
現在のわたしは、この視点で米ドル/円のFX取り引きを継続しています。
米ドル/円の長期為替レートをみると、新興国通貨のように米ドルが下落し続ける(円高ドル安になり続ける)ということはありません。
米ドル/円の長期チャート(2009~2020)
(出典):
したがって、「中長期目線で保有して少しずつスワップポイントを得ながら、たまに大きな変動があったときに売買する」というスタンスを試しています。
ところで、FX投資の特徴として「レバレッジ」というものがあります。
これは少ない資金で大きな取引ができる仕組みです。
大きな利益が得られるチャンスとなる一方で、為替が大きく変動したときに強制売却(ロスカット)が発生して大きな損失となる危険もあります。
わたしが実施している「中長期」のFX取り引きでは、レバレッジをあまりかけずに投資しています。
このやり方にも落とし穴はあるのかもしれないですが、失敗したらまたブロブで紹介したいなと思います。
まとめ
FX(外国為替証拠金取引)とは、2国間の通貨を交換することで利益をねらう投資手段です。
また、2国間の金利差によって得られる「スワップポイント」という特典もあり、わたしはスワップポイントが大きい「新興国通貨」に手をだして損益をだしてしまいました。
FXによる短期売買の手法は、株や投資信託などと比べても「ハイリスク・ハイリターン」であり、長期的に資産運用する手段としてはお勧めしません。
一方で、中長期目線で無理のない取り引きをするなら、分散投資の一つの手段としてはありかなと思ってます。
なお、FX取り引きしていると、為替変動が「自分ごと」になります。
会社であれば輸出入の取り引き、個人であれば海外旅行などで、為替の知識は役に立つことがあるので、なにごとも経験してみるものだなと思っています。
かなりマニアックなお話しになってしまいましたが、何かのご参考になれば幸いです。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
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