46歳からのセミリタイア生活

セミリタイアのお仕事や資産運用について語ります

働き方改革で本当に変えるべき企業文化とは

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こんにちは。

 

前回までの記事では、働き方改革の間違った進め方がもたらす弊害についてお伝えしてきました。

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働き方改革が『残業時間の上限規制』中心に進み、業務量減少や効率性の向上が遅れることによって、現場・管理職の負担感が増加しています。

これを解決するには、やらなくてよい仕事を決める(無くす)、ITの導入などにより業務を効率化する(減らす)、仕組みやルールを見直す(代える)といった対策をとっていく必要があります。

 

しかし、個々の対策を実施するまえに根本的にやるべきことがあります。

それは、『忖度(そんたく)と根回し文化』を根絶することです。

今回はその理由についてお伝えします。

 

組織に蔓延る(はびこる)忖度と根回しの文化

日本の企業や組織には、忖度と根回し文化が広く浸透しています。

「忖度」とは本来、『他人の心を推し量って配慮する』という思いやりある行動を意味する言葉です。

しかし最近では『上司や目上の人の気持ちや立場を考えて、配慮した行動をとる』といった意味合いで使われることが多くなりました。

ここでも後者の意味合いで忖度という言葉を使います。

つまり忖度の文化とは、上司や同僚の顔色を気にしながら、なるべく波風が立たないように発言・行動することです。

 

また、根回しの文化とは、自部署内だけでなく他部署も含めて関連するメンバーにあらかじめ話しを通しておくことで、仕事をスムーズに進めようとすることです。

これらは悪いことではないですが、過剰になると仕事の生産性を下げる原因になります。

また、理由は後ほど説明しますが『忖度と根回し文化』は今の時代に合わなくなっています。

 

高度経済成長期にフィットしていた忖度と根回し文化

ではなぜ忖度と根回し文化が浸透してきたのでしょうか?

他人の目を気にする日本人の気質もあるでしょうが、それだけではなく、『失敗しないようにするため』ではないかと私は考えています。

 

高度経済成長の時代は、欧米のやり方を真似しながら、さらに改善・改良を重ねることで大きく経済発展しました。

つまり、目指す方向が明らかで、頑張れば頑張るほど成果がでる時代でした。

そのような状況下では、失敗すると効率が落ちてしまうため、何事においても『失敗しないように』仕事を進めることが重要でした。

 

そんな時代の上司が部下にかける言葉は次のようなものです。

「これまでそうしてきた(これからもそうすべき)」

「それは前例がない」

「事前の調整はできたのか」

過去の事例に則って仕事のやり方を決め、関連部署と細かく調整しておくことで、失敗する可能性を減らしてスムーズに進めようとしているわけです。

 

『失われた30年』で本来変えるべきだったこと

欧米をキャッチアップすればよい高度経済成長期には、忖度と根回し文化は有効に機能してきました。

しかし、欧米に追いついた日本は、今までにない新しいものを生み出す必要が出てきました。『目指すべき方向がわからない時代になった』ということです。

 

新しいものを生み出すときに必要なことがあります。それは『失敗すること』です。

初めてやること、今まで誰もやってないことを実行すれば失敗する可能性が高いのは当たり前です。

発明家のトーマス・エジソンも「私は失敗したのではない、上手くいかない1万通りのやり方を見つけたのだ」という有名な言葉を残しています。

 

そのような状況下で、『失敗しないように石橋を叩いて渡る』忖度と根回し文化は時代に合わなくなっていきました。

しかし不幸なことに、時代に合わない文化が脈々と受け継がれてしまったのが日本の企業や組織の姿です。

もっと言えば、国民や国内企業に忖度し続けてきた政府の姿かもしれません。

 

バブル経済崩壊後の1990年代初頭から今に至るまでの30年間、日本の国際競争力は大きく低下してきました。

この『失われた30年』と言われる経済低迷期を発生させた大きな原因は、忖度と根回し文化から抜け出せなかったことではないでしょうか。

 

したがって、働き方改革で『長時間労働の解消』『非正規と正社員の格差解消』『高齢者の就労促進』というような施策をいくら進めようとしても、根本の原因を解消しないことには、本当に働く人たちのためになる改革はできないと思うのです。

 

まとめ

上司の顔色を気にして忖度したり、自部署や他部署の関係者に根回しするような文化は、失敗せずに効率的に仕事を進めることが重要な高度経済成長期には適していました。

しかし、新しいものを生み出すことで国際的な競争力を身につけていくべき今の時代には、忖度や根回し文化をなくし、失敗することを当たり前ととらえる企業文化へ移行することが必要です。

これは企業や組織のトップが率先して取り組んでこそ変えることができます。

 

「前例がない」とか根回しはできてるのか」などと言っている場合ではなく、失敗してもよいから、どんどんやってみろ」と部下に権限委譲し、新しいことを実践するサイクルをとにかく速めること。

これができた企業や組織だけが、社会の変化に適応して生き残っていけるのだと思います。

 

今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

 

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