働き方改革が職場にもたらす負のスパイラル
こんにちは。
働き方改革が進行する一方で、逆に中間管理職の業務量や心理的負担が増大していることを、先日の記事で紹介しました。
この状態を放置すると、企業の存続を左右しかねないダメージを受ける可能性があります。
今回は、働き方改革の失敗がもたらす最悪のシナリオについてお話しします。
業務量の削減や効率化の推進が不十分なまま、働く時間を減らすという側面だけが強調されると、、、
残業削減の対象外である中間管理職は、部下の手の回らない仕事をカバーするなどさらに負担が大きくなります。
その結果、『休めない』『学べない』『育てられない』『生み出せない』という四重苦に陥ります。
つまり、ヘタな働き方改革の一番の被害者は中間管理職であるといえます。
中間管理職が疲労困憊した状態が続いたら、その次に起こること、、、
それは『若手の有望社員の離職』です。
若手の有望社員は、周囲から仕事ぶりを認められている自覚があり、自分が将来の中間管理職候補であると分かっているはずです。
だとすると、疲れ切った中間管理職を見て自分もその立場になりたいとは思えないでしょう。
その結果、転職を考え始める可能性が高くなり、若くて優秀であれば転職先も見つけやすいと思います。
若手より先に中間管理職が離職するのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。
中間管理職の年齢は40代が多く、家庭を持っていれば子育て中の世代です。
生活費や教育費など支出が多くなるため、転職のリスクはなかなか取りずらいです。
配偶者に転職を反対される『嫁ブロック』という言葉も最近よく聞きます。
また、昔よりは中高年の転職市場が活況になってきているとはいえ、やはり30代と40代では求人数は大きく異なり、年齢が高いほど転職が難しくなる現実はあります。
辞められない中間管理職がいる一方で、優秀な若手社員が先に会社を去っていくという構図です。
そうなってしまうと、人手不足、後継者不足となり中間管理職の負荷がさらに増大する負のスパイラルに陥るのは確実です。
輝けない中間管理職を見て失望した優秀な若手が辞めていき、次の世代が育たず組織が内側から崩壊していく。
働き方改革によって、そのような状況が多くの職場で同時多発的に発生していないか、危惧しています。
今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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