Nizi Project(虹プロ)のJ.Y. Park氏から学ぶ理想の上司像とは?
ガールズグループ『NiziU(ニジュー)』を生み出したオーディション企画の『Nizi Project(虹プロ)』。
総合プロデューサーのJ.Y. Park(パク・ジニョン)氏の人材育成法がスゴイと評判になっています。
本記事では、Park氏の指導法のポイントについて、私なりの解釈をご紹介します。
番組中、参加メンバーに対して、まさに「理想の上司」という言葉が当てはまるような対応が随所にみられました。
企業で若手の人材育成に悩む管理職にとっては、 多くのヒントが得られるんじゃないかと思ってます。
Nizi Project(虹プロジェクト)とは
韓国大手事務所JYPエンターテイメントとソニーミュージックによる、人材発掘オーディションプロジェクトです。
プロジェクトの大まかな流れは次のとおり。
・2019年7月からオーディションを開催し、応募者1万人超から26名の合格者を選別
・日本(東京)で4泊5日の合宿トレーニングを開催して韓国行きメンバーを選出
・韓国のJYPトレーニングセンターにて6ヵ月間、デビューに向けた練習を行い、最終デビューメンバーを選別
・最終選抜メンバーはグローバルガールズグループ『NiziU(ニジュー)』として2020年秋にデビュー予定
オーディションや選考合宿の様子は、動画配信サービスのHulu(フールー)によって2020年1月31日から6月26日まで独占配信され、時間差でYouTubeでも配信されていました。
朝の情報番組「スッキリ」でも特集されていたそうですね。
わたしは夏期休暇中にYouTubeで観て、ドハマリしてました。
J.Y. Park氏について
男性シンガーソングライターであると同時に、音楽プロデューサーとしての手腕も発揮し、JYPエンターテインメントを創業して韓国で有数の大手芸能事務所に成長させた人物です。
ガールズグループの『TWICE』をデビューさせた人物、といえばもっとも分かりやすいでしょうか。
Nizi Projectにみられるメンバーの育てかた
それでは、Park氏の人材育成法のポイントをご紹介します。
安心感を与える接しかた
Park氏の人材育成は、オーディション会場からすでに始まっています。
会場に入室した参加者に対して、審査員であるPark氏のほうから、笑顔で「会えて嬉しいです」と話しかけるのです。
すると参加者もつられて笑顔になり、極度の緊張状態から少しは安心してオーディションに臨むことができます。
ちなみに、この「会えて嬉しいです」は韓国語ではなく日本語で話しかけています。
彼はもともと日本語が話せたわけではなく、今回のNizi Projectで参加者とコミュニケーションをとるために、日本語を勉強したそうです。
挨拶だけでなく、審査中に感想や評価をコメントするときも、(細かい技術的な内容は韓国語ですが)なるべく日本語を使おうとしていました。
その後の合宿練習中も、課題を披露するメンバーたちに対して、笑顔を絶やさず気さくに話しかけることを徹底していました。
「今まで指摘されたことは全部忘れて、このステージを心から楽しんでください」
参加者に少しでも安心感を与え、実力を発揮できるようにする配慮が行き届いていると感じました。
他人と比べず、一人ひとりを尊重する
選考合宿に参加したメンバーに対して、Park氏はこう語りかけます。
「多くのオーディション参加者から、ここまで残ったことは素晴らしいです。皆さんお互いに拍手しあいましょう」
「皆さん一人ひとりが特別な存在です」
「もし選考に落ちたとしても、それは今回の評価基準にたまたま合っていなかっただけ。皆さんが特別であることに変わりはありません」
他の参加者と比較せず、一人ひとりの存在を認めようとする意志が感じられました。
そうすることで、メンバーは競い合うライバルではなく、厳しい合宿をともに乗り越える仲間として、お互いに支えあいながら成長していきます。
みんなで協力しあう関係性は、最近の若い人を指導するときにとても重要と思います。
ひと昔前であれば「競い合いながら成長していく」というような感覚だったのが、
今の若い人は「横のつながりを大切にして、協力しあって乗り越えていく」という感覚に変化してきているからです。
褒め方がうますぎる
人を育てるときに褒めることが大切だというのは、最近とくによく言われるようになってきました。
Park氏が褒めるとき、まず自分の感じたことをそのまま伝えます。
「すごく驚きました」
「感動して涙がでそうになりました」
感情をダイレクトに伝えることで、相手の心に響きやすくなります。
また、結果だけでなくプロレスを褒めていることも重要だと思います。
「どういうことに気をつけて練習してきたの?」
と聞いて参加者が「〇〇してきました」と答えると
「だからできるようになったんだね!」
「すごく努力してきたことが分かるパフォーマンスでした」
と返します。
ちなみに、男性はどちらかというと「結果や成果」を褒められることに喜びを感じるのに対して、女性は「プロレス」を褒められることに喜びを感じる傾向があるそうです。
たとえばテストで良い点をとったわが子(や生徒)を褒めるときだと、
男の子であれば「〇〇点も取れるなんてすごいね!さすがだね!」
女の子であれば「毎日ちゃんと勉強してたもんね。だから〇〇点もとれたんだね!」
という感じ。
(すべての男女が当てはまるわけではなく、あくまで傾向です)
Park氏は、女性心理をよく理解して褒めているのかなと思いました。
叱り方もうますぎる
参加者に対して評価やアドバイスをするときは、決して感情的にならず、冷静に事実だけを伝えています。
プロのミュージシャンの視点で、ダンスや歌のパフォーマンスのどこに問題があって、どのように改善すべきかを、具体的に指摘していきます。
的確で具体的な指摘だからこそ、参加者はできない自分へのくやしさもあって、涙を流すことも多くあります。
そんな参加者に対して、Park氏はさいごに優しく声をかけます。
「期待してたからこそ、今回は残念だったよ」
「次はがんばってね」
安心感を与えつつ、特別な存在として認め、プロセスを評価する。
そして指摘した後のフォローを忘れない。
まさに若い女性を育てるのに必要なエッセンスが詰まったやり方ではないかと。
にじみ出る人柄
番組の後半で、Park氏がメンバーを集めて話しをする場面があります。
そこではJYPエンターテイメントに所属する社員やアーティストが、共通して持つべき価値観について、メンバーに説明します。
「世の中によい影響を与えるために、立派な人柄を持ってほしい」
「立派な人柄を持つためには、真実・誠実・謙虚の3つを実行すること」
この場面に、彼の人間性がよく表れていると思いました。
いくら褒めかたやコーチングの技術を学んでも、心がこもっていないと相手には伝わりません。
誠実で謙虚なPark氏の人柄があるからこそ、その言葉の一つ一つがメンバーの心に届くのでしょう。
さいごには成果をだす
育成法が優れているかを判断する基準は何でしょうか?
それはやはり「その指導によって、どれくらい成長させることができたか」
になるでしょう。
このNizi Projectという番組をとおして、Park氏の育成法が優れているかどうかの答えを、われわれ視聴者は見せつけられます。
番組はpart 1とpart 2あわせて全20話(1回あたり50~60分)あるので、全部を観るのはかなり時間がかかります。
それでも、もしあなたがまだ観ていなければ、飛ばし飛ばしでもよいので、参加者たちの変化をみてほしいです。
最初の全国オーディションに参加している姿から、1年弱程度の期間でここまで変わるのかと驚くと思います。
まとめ
オーディション番組「Nizi Project」の総合プロデューサーであるJ.Y. Park氏。
参加メンバーへの彼の接しかたは、まさに「理想の上司」という言葉にふさわしいと感じられました。
- 笑顔で話しかけ、気さくな声かけで安心感を与える
- 他人と比較せず、一人ひとりを特別な存在と認める
- 選考合宿では競争意識ではなく、仲間意識を育てる
- 褒めるときは感情をダイレクトに伝え、結果だけでなくプロセスを評価する
- 叱るときは冷静に、具体的に指摘し、フォローの言葉をかける
- 誠実で謙虚な人柄があるからこそ、その言葉が聞き手に届く
- 結果としてメンバーを大きく成長させる
日本の組織で、こんな指導ができる上司はどれくらいいるでしょうか?
けっして多くはないと思います。
わたし自身も管理職になってからチームメンバーを指導する方法は学んできたつもりですが、実践できているのは一部だけだと感じました。
オーディション番組としても楽しめましたが、人材育成という視点でみたとき、とても参考になる部分が多かったです。
もし、あなたが人を指導する立場にあるなら、一度観賞されることをオススメします。
さいごまで読んでくださり、ありがとうございました。
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