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金(ゴールド)とプラチナをいま買うべきか?【金投資入門】

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前回の記事内で、金とプラチナのETF(上場投資信託)を購入したことに言及しました。

関連記事:NISA(ニーサ)始めました! その理由と使いかたについて

 

今回は、金(ゴールド)やプラチナ投資について、いくつかある方法のメリットとデメリットを解説します。

あくまで私の個人的な意見ですが、どのように考えて投資判断をしているかについても、ご紹介したいと思います。

 

【この記事の要点】

  • 金投資には、現物購入(金地金や金貨)、純金積立、金ETFなどがある
  • 投資対象としては、手数料が安い金ETFがオススメ ⇒ 金ETFもしくは純金積立がオススメ
  • リスク分散のために、金だけでなくプラチナ投資も一考の余地あり
  • 「いまが買い時か」は誰にも分からないので、初心者は少額からコツコツ購入するのが良い

 

 

金(ゴールド)投資とは?

金(ゴールド)は「守りの資産」や「有事の金」と言われ、はるか昔から資産価値を保ってきました。

「金はお金持ちが持っているもの」と考える人が多いかもしれませんが、近年では個人投資家が少額から「金投資」をすることができるようになっています。

代表的な金投資の方法と、メリット・デメリットをご紹介します。 

 

現物(金地金や金貨)を購入

金地金(インゴット、金塊)や金貨などの形で、金そのものを購入する方法です。

「金塊や金貨の輝きを、自分のものにできる」と考えると、なんだかワクワクする気持ちもあります。

しかし、現物購入は投資対象としてはデメリットが目立ちます。

まず、手数料が高いです。

金地金の場合、購入量が少ないほど手数料は割高となり、数万円くらいの購入額なら10%以上の手数料がかかることもあるようです。

また、現物を持っていると紛失や盗難のリスクがありますし、貸金庫に預ける場合は保管料がかかります。

  

純金積立で毎月投資

金の現物を購入するのではなく、「権利」を買うようなイメージです。

メリットは、毎月一定額を積み立て購入することで、金価格の変動に影響されにくい運用ができることです。

(ドルコスト平均法により、金の価格が上がったときは買付量が少なく、下がったときは多くなるため、価格変動リスクを減らすことができる)

また、現物を保有する場合と比べると、手数料を安くすることができます。

 

参考までに、ネット証券の大手2社である「SBI証券」と「楽天証券」の手数料を記載します。

SBI証券(買付手数料):2.2%(税込み)

楽天証券(買付手数料):1.65%(税込み)

 

両者とも、必要なのは買付手数料のみで、管理費用などはかかりません。

最低購入金額は、両社とも1,000円です。わりと少額から投資可能ですね。

 

また、SBI証券の場合は、一定数量になった時点で現物転換請求が可能であり、「自宅まで金現物を届けてもらう」ことができます。(楽天証券は不可)

ただし、よ~く調べてみると、一定数量というのは1kg(1,000g)ということでした。

2020年12月10日時点で、金の価格は6,200円/g程度ですので、1kgだと620万円に相当します。

620万円の金現物を自宅に届ける人って、いるんでしょうかね?(笑)

 

デメリットは、取り扱っている地金商や証券会社、銀行によって手数料や取引ルールが異なるため、購入前によく確認しておく必要があることです。

また、現物資産を購入するより手軽とはいえ、手数料が2%くらいかかるのは、デメリットと考えたほうがよいかもしれません。

 

手数料が安い金ETFを購入する

ETF(上場投資信託)とは、株式と同じように証券取引所で売買することができる投資信託です。

金ETFの場合、金価格の変化と連動した値動きをします。

 

ETF投資は購入時の手数料が安いことがメリットです。

たとえば、メジャーな金ETFである「純金上信託(金の果実)」の場合、信託報酬(管理費用)が税込みで0.44%となっています。 

 

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データ参照元:「金の果実」シリーズ | 三菱UFJ信託銀行 (mufg.jp)

また、ETFの場合は購入手数料もかかります。

SBI証券と楽天証券の株取引(現物取引)の手数料は、スタンダードなプランなら同額となっており、(取引金額によって変化しますが)だいたい0.1%程度です。

 

したがって、購入手数料の約0.1%と、信託報酬の0.44%を合わせて、0.5%程度の手数料で金投資が出来るということになります。

純金積立と比べて1%以上、手数料が安くなるのは、かなり大きいかなと思います。

(それでも、ETFの中では手数料が高い部類に入る点には、注意が必要です)

※修正追記 

短期投資ではETFのほうが手数料は安いですが、長期投資では純金積立のほうが有利になります。なぜなら、ETFは信託報酬として保有中は常に管理手数料がかかるのに対し、楽天証券やSBI証券での純金積立は買付手数料のみだからです。

4~5年を超える長期投資を考えるなら、トータルの手数料では純金積立が安くなってきます。

 

純金上場信託(金の果実)は、SBI証券と楽天証券のいずれも1株から購入でき、2020年12月10日時点での価格は約5,900円/株です。

 

金ETFのデメリットとしては、積立購入ができないため、自分で買付のタイミングを決める必要があることです。

また、出来高(株数で表される取引量)が小さいETFを選んでしまうと、自分が思うタイミングで売買できない可能性があります。

金ETFは数銘柄ありますが、私は出来高がもっとも大きい純金上信託(金の果実)を選びました。

 

金とプラチナのどっちが良いか?

ここまで「金投資」について説明してきましたが、ほぼ同じ説明がプラチナ、銀などの貴金属投資についても当てはまります。

金に次いで注目されるプラチナ投資について、見てみましょう。

 

下のグラフは、1973年から2019年までの金とプラチナの年平均価格の推移を示しています。

2000年頃までは、両者の価格は同じくらいで推移しています。

しかし、2000年~2010年頃はプラチナ価格の方が高くなり、2105年以降はそれが逆転して金価格の方が高くなっています。

 

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 データ参照元:田中貴金属工業株式会社|貴金属価格情報

 

最近の5年間の価格推移を、月次で見てみます。

両者の価格差は、じわじわと広がってきています。

特に、2020年に入ってから(コロナウイルスの影響で株式市場が暴落したころから)、その差が拡大していることが分かります。

 

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データ参照元:田中貴金属工業株式会社|貴金属価格情報

 

金とプラチナの価格差が生まれる理由と言われているのが、両者の用途の違いです。

金は需要の半数が宝飾品用途なのですが、プラチナの場合は工業品用途が半数だそうです。

つまり、プラチナ価格のほうが、電子部品や自動車産業などの景気の影響を受けやすいといえます。

「近年の価格乖離は、自動車用途などのプラチナ需要の減少が一因」と書いてある記事も見かけますが、真偽のほどは分かりません。

 

ただ、歴史的に見ても、現在は金とプラチナの価格差は極端に大きくなっています。

どちらか一方ではなく、いずれも所有することでリスク分散したいと考え、私の場合は金とプラチナ両者のETFを買うことにしました。

 

金やプラチナをいま買うべきか?

先ほど示したグラフを、もう一度表示します。

金やプラチナ価格は、数10年という長期でみると上昇傾向にあります。

しかし、数年単位では下落している時期もあります。プラチナ価格にいたっては、この10年近く下落し続けています。

 

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 データ参照元:田中貴金属工業株式会社|貴金属価格情報

 

 

結局、いまが買い時かどうかは誰にも分からないので、初心者は長期保有を前提として、少額ずつコツコツ購入していくのがベターかなと思います。

言うまでもなく、金やプラチナ投資はリスク商品(元本は保証されない)です。

中身をよく理解しないまま、高額を買い付けるのは危険です。

 

私の現時点の投資方針としては、これから金ETFとプラチナETFを、数年かけて少しずつ買い増してみようかなと考えています。

(金などの現物資産は、全資産の1~2割くらいの保有比率がよいと言われることが多いです)

※修正追記 

手数料について勘違いしており、長期投資では金ETFよりも純金積立が有利でした。短期売買ではなく長期で運用したいため、投資方針は見直す予定です。