セミリタイアを目指すなら「持ち家」と「賃貸」のどっちに住むのがよいか？

永遠のテーマともいわれる「持ち家」vs「賃貸」論争。

持ち家派と賃貸派、双方の主張は平行線をたどり、一向に決着する気配はみえません。

では、セミリタイア、アーリーリタイアしようとする人は、どちらに住むべきでしょうか？

今回はそんなテーマについて考えてみたいと思います。

持ち家と賃貸のどちらが「お得」か？

住居論争でよくみられるのが、どっちの選択がお得になるかということです。

これについては、ネット検索すると多くのシミュレーションがあり、「長い年数、住み続けるほど持ち家のほうがお得になる」という結果がほとんどでした。

住宅を購入するのは初期投資が多くかかるので、若いうちは賃貸のほうが支出は少ない。

しかし、住宅ローンを払い終えれば支出は減少し（リフォーム代や固定資産税などの支出はあるものの）、トータルでかかる費用は持ち家のほうが小さくなる、ということです。

とはいえ、お得になるのは人生の後半になってからであり、何十年も将来の損得で判断するものかという疑問はあります。

結局、持ち家か賃貸を選ぶときは金銭的な損得ではなく、価値観を基準にするべきなのかなと思います。

「損得」ではなく「価値観」で判断する

その人がどのようなライフスタイルを望んでいるか、何に価値を感じるかによって、住居を選ぶのが良いのかなと。

たとえば、持ち家を好む人は次のように考えるかもしれません 。

・自分の好きなようにリフォーム、リノベーションしたい

・老後に安心して暮らせるよう自分の家を持っておきたい

・子供に「帰る家=実家」をつくってあげたい

一方、賃貸派は「気軽さ」を重視する傾向があると思います。

・家族構成の変化、仕事の都合など、ライフステージに合わせて気軽に引っ越ししたい

・台風や地震などの自然災害が発生したとき、住居のダメージを心配したくない（自分の家じゃないほうが気楽）

よくないのは、

「周りも買っているから」

「営業マンに強く勧められてその気になった」

というように自分の価値観ではなく、周囲の環境や人に流されて決めてしまうことだと思います。

ちなみに、わが家では妻と私の二人とも「賃貸派」です。

老後のことまでは決めていませんが、私は「住居費」は光熱費や通信費と同じように「必要経費」だと考えています。

セミリタイア、アーリーリタイアに必要なこと

早期リタイアを目指す人にとっても、 「持ち家と賃貸のどちらを選ぶかは価値観次第」、ということは当てはまると思います。

ただし、どちらを選ぶにせよ「必要最小限」が重要なキーワードとなります。

住宅選びをするとき、立地や間取りなど様々な条件を検討しますが、そのときに自分と家族にとって必要なギリギリ最低ラインを探るということです。

住居にかかる費用は、多くの人にとって人生の中で最大の支出です。

仮に20歳から80歳までの60年間、家賃10万円を払い続けたとしたら、トータル支出は7,200万円です。

これが家賃7万円の場合は5,040万円となり、家賃10万円との差額は2,160万円となります。

住む家が違うだけで、そのほかの収入や支出は変わらなくても、「老後2,000万円問題」はクリアーできますね。

支出を抑えるには固定費（各種ローン、通信費、保険料など）を見直すのが有効ですが、その中でも住居費は断トツで大きな影響があります。

したがって、早期リタイアを目指すのであれば、「これだけは譲れない」という最低ラインをよく考えて物件を選び、少しでも住居費を抑えることがとても重要だと思います。

「自分の収入であれば、これくらいの家に住めるだろう」と給料ベースで考えるのではなく、「他はなくても、これだけは必要」というように要不要で考えること。

それが預貯金などの資産を増やし、早期リタイアの道へとつながっていきます。

最後に

リタイア後の住居に対する希望は人それぞれです。

便利な都会での賃貸生活を望む人もいれば、郊外の一軒家に住みたい人もいる。

また、若いときと年齢を重ねてからでは、考えかたが変わる場合もあるでしょう。

いずれにせよ、「住居にお金をかけない」を実践してきた人ほど、将来の選択肢が増えるのは確実だと思います。

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