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結局、つみたてNISAって儲かるの?~投資信託運用に期待できる未来~【第1回】

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先日、私の講座に初めて学生さんが参加されました。

(資産運用について初心者向けのオンライン講座をやっています)

 

学生でも資産運用について勉強するんだと驚きました。

そこで受講理由を聞いてみたところ「2~3年後にまとまったお金が必要になるので、資産運用で増やせないか知りたい」ということでした。

その方に私からお伝えした内容の要点は、次のようなことです。 

  • 資産運用で確実に増やす(負けない)ためには長い時間がかかる
  • 2~3年くらいの短期で増やそうとすると、逆に減らしてしまうリスクも高まる
  • 短期で増やすには、資産運用ではなく収支の改善が近道(効率的に稼ぎ、余分な支出を削減する)

 

では、長い期間をかけて増やすのに適した資産運用法とは何でしょうか?

その答えは「投資信託を毎月一定金額ずつ、コツコツと買い続ける」ことです。

この運用方法に「運用益非課税(利益に税金がかからない)」というオマケをつけて制度化したのが「つみたてNISA」なんです。

 

とてもシンプルな方法ですが、中身を理解して実行している人は、まだまだ多くないように思います。

とくに、「つみたてNISAでどれだけの利益が得られるのか?」「損をすることもあるのか?」については、もっとも気になる部分だけれど、明確な説明を聞いたことがない方が多いのではないでしょうか?

 

つみたてNISAを理解するには、投資信託について知る必要があります。

そこで「投資信託運用に期待できる未来」をテーマに、数回の記事に分けて解説していきます。

第1回は、「つみたてNISA制度の概要」についてご紹介します。

 

 

「つみたてNISA」の現状

つみたてNISAの口座開設数は、いま急激に伸びています。

先日、以下のような記事が出ていました。 

楽天証券は2月末時点で、「つみたてNISA」口座数が109万4776口座に到達したと発表した。1年で倍増した。国内のつみたてNISA口座数は2020年12月末で302万口座。楽天証券はうち29%を占め、トップシェアとなる。

参照元:楽天証券、つみたてNISA口座が1年で倍増 109万口座に - ITmedia ビジネスオンライン

楽天証券のつみたてNISA口座数が、1年で倍増したとのこと。

コロナ禍での先行き不安、最近の株高の影響などにより、資産運用に目を向ける人が増えているということでしょう。

また、若い世代や女性の加入数が増えていることもあり、「楽天市場」や「楽天ポイント」で馴染みのある楽天証券が人気となっているのだと思います。

 

ネット証券の口座開設数では「SBI証券」が業界トップなのですが、2位の楽天証券がトップに迫る勢いとなっています。

つみたてNISAについては、大手2社のSBI証券か楽天証券のどちらかで口座開設しておけば問題ないと思います。

両方のホームページを見て、自分が見やすそう(使いやすそう)な方を選べばよいでしょう。

SBI証券のホームページ

楽天証券のホームページ 

 

「つみたてNISA」の特徴 

たまに「つみたてNISA」という金融商品があると勘違いされている人もいますが、これは制度の名前であり、実際に購入するのは「投資信託」という商品になります。

投資信託のような金融商品を売買して得られた利益には、通常約20%の税金がかかります。

つみたてNISAを利用した場合、その利益(運用益)が非課税になるんです。

 

元々は2014年にNISA(少額投資非課税制度)がスタートし、その後2018年につみたてNISAが開始されました。

つみたてNISAの特徴をまとめると次のようになります。 

 

  • 運用益(投資で得られた利益)が非課税になる
  • 約200銘柄に厳選された投資信託(一部ETFも含む)の積立購入のみ可能
  • 投資上限額は年間40万円(毎月3万3,333円)
  • 非課税期間は20年間
  • 投資可能期間は2042年まで(法改正で2037年から5年延長)

 

たとえば今年(2021年)からつみたてNISAを始めた場合、毎年40万円を22年間(総額880万円)非課税枠で積み立てることができます。

また、非課税期間の20年というのは購入した年から数えます。

2021年に購入した分は2040年まで、2022年に購入した分は2041年までと1年ずつズレていき、最終2042年に購入した分は2061年まで非課税という、息の長い制度です。

 

「非課税期間とか、投資可能期間とか、よく分からないな~」と思われた方、安心してください。

20年~40年も未来のことをあまり細かく考えても仕方がないです。

なぜなら、いつどのような法改正がされるか分からないからです。

 

実際、NISAというのはイギリスで作られた「ISA」という制度を参考にしているのですが(ニッポンISA)、本家イギリスのISAは法改正の末「非課税期間が無制限」に変更されています。

 

「つみたてNISA」制度を使う上で大事なこと

つみたてNISAはあくまで税制優遇という「オマケ」の制度であり、運用商品である投資信託をちゃんと理解することが、なにより重要です。

投資信託運用がどのようなものか知ったうえで、「自分に合っている」と思えるならやればよいし、そうでないなら止めておくべきだと私は思います。

「みんなやっているから」と周りに流されず、自分にとって必要かどうかを見極めていきましょう。

(第2回へ続く)