結局、つみたてNISAって儲かるの?~投資信託運用に期待できる未来~【第2回】
つみたてNISAを理解するには、運用商品である投資信託について知ることが必要です。
そこで、「投資信託運用に期待できる未来」をテーマに、数記事に分けて解説しています。
第1回ではつみたてNISAの概要についてご紹介しました。
結局、つみたてNISAって儲かるの?~投資信託運用に期待できる未来~【第1回】
今回の内容は「株式市場への投資」について。
なぜ世界の株式市場への投資が必要なのか、どのように実行すればよいのかをお伝えします。
昔は貯金していればよかった
若い世代には想像もつかないでしょうが、かつての日本には銀行金利が5~7%という時代がありました。
年利7%というのは、約10年で預貯金が倍になる利率です。
スゴイですよね!
そんな時代もバブル崩壊とともに終わりを告げ、いまや大手銀行の普通預金金利は0.001%(税引き前)です。
たとえば、毎月3万円ずつコツコツと貯金したとしましょう。
それを30年続けたら、3万円✖12ヵ月✖30年=1,080万円の貯蓄額に対して、
利子はなんと1,154円(税引き後)です!
悲しくなってきますね、、、
貯金は大事だけど、「貯める」ことはできても「増やす」ことは出来ない時代です。
増やすためには「資産運用」する必要があります。
資産運用と投機の違い
資産運用と聞いて、「安いときに買って、高いときに売る」ような短期売買を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
しかし、それは資産運用ではなくて「投機」です。
投機では「勝っている人がいる裏側で、負けている人がいる」ということが起こっているんですね。
そして、勝っているのは一部のプロ投資家、負けているのは大勢の素人投資家、という世界でもあります、、、
最近、「初心者でも始めやすいFX(エフエックス)」なんて広告、あちこちで見かけませんか?
大切な資産を減らしてしまわないよう、気をつけましょうね。
一方で資産運用というのは、資産(=長期的に価値が上がるもの)を保有し続けることで、増やしていく行為のことです。
勝ち負けを競うのではなく、全体的に増えていくものに乗り続けるようなイメージです。
長期的に価値が上がる資産とは?
「債券」や「不動産」など、預貯金と比べると長期的に価値が上がる可能性が高い資産もあります。
しかし、それらと比べても圧倒的に値上がりしやすいのが「株式」なんです。
ここでいう株式は個別の会社ではなく、米国株式や世界株式のような、市場全体のことを指しています。
企業には隆盛期もあれば衰退期もありますが、世界の株式市場全体でみると、過去100年以上にわたって大きく成長し続けてきました。
「資産を増やす」ことを目的とするなら、株式市場に投資するのがもっとも理にかなっているのです。
とはいえ、そんな株式にも弱点があります。
それは「短期的な値動きが大きく、ときには数年間にわたり暴落が続くこともある」ということです。
この弱点を克服するためのキーワードが「分散/積立/長期」の運用です。
分散/積立/長期運用について
1. 分散
個別株を売買する「株式投資」とは異なり、たくさんの銘柄を含む「株式の市場平均」に投資します。
これが分散投資の考えかたです。
具体的には、アメリカの株式市場(数百~数千銘柄)に分散投資する方法や、さらに広く全世界の国々の株式市場(数千銘柄以上)に分散投資する方法があります。
2. 積立
自分の資金を一度に投資すると、その直後に暴落が起きた場合のダメージが大きくなります。
これを防ぐために有効なのが「積立購入」です。
一定金額を一定期間ごとに積立購入することで、たとえ暴落が起きたとしても安く買い続けることになり、その後の株価回復期に大きく資産を増やすことができます。
3. 長期
いくら分散/積立運用しても、短期的には資産がマイナスになる可能性があります。
しかし、長期運用すればするほど、「マイナスになる可能性は低くなる(プラスになる可能性が高くなる)」ということが、過去の経験則から分かっています。
ここでいう長期とは、最低でも5年以上、できれば10年~15年の運用が目安となります。
短期間の値動きに惑わされず(実際、これが難しいのですが、、、)長い目で見て運用を継続することが、なにより大切ということです。
(第3回に続く)